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第4回NRAC拡大会議講演「早稲田大学における職員業務トランスフォーメーション」

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2023年9月6日、株式会社早稲田大学アカデミックソリューション 代表取締役執行役員 神馬 豊彦 様に
「早稲田大学における職員業務トランスフォーメーション」についてご講演いただきました。

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早稲田大学では、「Waseda Vision150」「世界で輝くWASEDA」の構想 (link: https://www.waseda.jp/inst/vision150/) のもと、
さまざまな取り組みが行われています。
今回は革新戦略の「10. 教職員の役割と評価の明確化」 (https://www.waseda.jp/inst/vision150/core/strategy10)  に関連する
「職員業務トランスフォーメンション推進PJ」の内容について、具体的なシステム導入の取組みや、施策の内容について語っていただきました。

■参考前提: 大学運営DX推進 (https://www.waseda.jp/top/assets/uploads/2022/01/WasedaUniversityITStrategy_2021-2023.pdf#page=11)

RPAとの関わりは2017年10月頃に遡り、共通業務の集約にあたりセンター組織を立ち上げたものの、処理量が増えるに従い増員が必要となる課題を解決するため、導入検討を開始されました。
まずは年間10-20万件発生する経理伝票処理の自動化に着手、同年12月にはプロトタイプが完成して検証を進め、翌年2018年4月にはRPAの全学展開を行われています。この経理業務については、5年間で1.6倍以上の生産性(1人あたりの処理件数)を達成という成功事例になっています。
しかし、多種多様な業務は改善効果の大きいものばかりではなく、作ったが使われないロボットが出てくる、RPAの開発者が増えないといった課題も出ていたようです。

転機の1つはやはり2020年のコロナ禍で、紙の扱いや自動化についての話が大きく進んだとのことでした。
行動が制限される中、突貫で問合せ対応用のChatBotを作成されていたものの、2020年は学内問合せが例年の4倍もあり、自動化が進んでいなければどうなっていたかということもあったそうです。他にも証憑電子保管システムの導入や、電子契約システムの活用など、多くの取組みと効果をご紹介いただきました。
コロナ禍での学びとして、基本ではありますが、「現状の分析/可視化を行ってシステム導入の目的を明確化した上で、定量的・定性的な投資対効果を示せるようにすることが重要」という旨のコメントをいただいたことは非常に重要だと感じます。

またコロナ禍後は、職員のマインドの変化もあり、職員自身による業務電子化・自動化のトレーニングの受講者が増え、現場部門主導の開発も進んでいるそうです。
現場部門主導でのDX推進を支援するため、IT部門は支援に徹し、各部門の活用事例を公開したり、現場部門担当者自身に勉強会を行ってもらったりする動きが印象的でした。
加えて、「いまのやりかたに固執しない」「ツールに100%を求めない」「業務の変化に対応し、作りこみすぎない」といった、大事な意識の醸成についても語られています。

最後は、「生産性や効率性のみを追い求めていた時代から、誰もが幸せを感じ、健やかに過ごせる社会を作る時代に。」というメッセージをいただき、働く職員自身が満足し、生き生きと活躍する未来を想像しながら締めくくられました。

※会員企業有志にて当該レポートをまとめさせて頂いております